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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第3章 理と情のはざまで
俺は、興奮を維持している。
すでに手で、セックスしていたからだ。

「こんなコト…しなくていいのに…」

スミカの、うわずった声。

言葉とは裏腹に
手先は、俺を抱きかえしてくる。
くるおしく 吸い付いてくる。
俺はもう一度、運動を開始した。

* * *

恋愛感情があるわけじゃない。
俺は対価を支払い、楽しんでいるだけだ。

それは事実だが、やはり錯覚してしまう。
掌で愛し合っているだけで
気持ちが、通じ合う気がした。

スミカの利き手を押さえて
母指の付け根、ほっそりした手首へと
愛撫を進めていった。

俺の親指と小指で、輪を作れば
すっかり抱きかかえることができる、手首。
疲労がありそうなポイントを、探っていた。
手に、視線と意識を集中し続けた。

スミカの手先はすっかり脱力して
たおやかに揺られている。
揺られながら、心地よさげに丸まっている。

手だけでも、充分に魅力的だ。
表情が、豊かだ。

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