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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第4章 白い香り
「電話、済んじゃいました」

そう言って俺の傍に来た。

スミカの瞳は、悪戯っぽく輝いている。
この娘も昂揚しているのだ。

途切れそうになっていた時間が
一遍にリセットされた。

このシチュエーションに
興奮している。解放感を覚えている。

スミカの乳房は
水着からはみ出したままだった。

俺の視線に気付くと、ハッとする。
ぷいと背中を向けて、直している。

「スミカ、君の事を知りたいな」

「いいですよ……」

スミカの背中に、声をかけていた。

知りたい。
それは間違いない。
でも特に話すことは、ない。

知りたい事の本質は
言葉では 確かめようがない。

スミカはこっちに向き直り
座りなおす。
整った顔。
色素の薄い瞳が、真っ直ぐ見てくる。

「…………」

俺が喋るのを待っているのだろう。
じっと見つめてくる。
……心地よかった。

ここからの時間
スミカがどれだけ応じてくれるのか
それは、未知数だ。

ただ、期待感で一杯だった。

「もう、マッサージは充分だよ」

「……はい」

それだけ話して、また黙った。
顔が、ほころびそうになる。

スミカの表情も、際どい。

無表情のようでいて
目に、精気が満ち溢れている。
笑顔にも 泣き顔にも
今すぐにでも転びそうな
危うさに、満ちた表情。

間近で見つめ合うと
これほどにも、いい顔をしている。
ネットの写真は、ただの飾りだったのだ。


直したばかりの水着を
またずり下ろした。
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