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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第5章 SUMIKA
「あいたたたっ」
男性客が奇声をあげた。
スミカがわざと、力加減を変えたのだろう。
「ちゃんとマッサージですよ……」
「なんだよオイ、怒っちゃったの~?」
「へいきですよ」
スミカは朗らかに声をかけている。
それから、マッサージのリズムを変えている。
男性客の脛の辺りをとらえ、ほぐしている。
軽やかで したたかな動き。
掌全体でほぐす動きをしながら
彼女の人差し指は、男の足にピタリと喰い込んでいる。
その技術には、更に磨きがかかっている。
「おお~……」
まだ何か言いたげだった男性客は
感嘆の声をあげて、大人しくなった。
「意識を、集中してくださいね」
スミカの美声が、明朗に響いた。
優しく諭すようでもあった。
でもどこか、寒気を覚えるようでもあった。
合成音のようだった。
下肢への施術は続けられた。
男性客はやがて黙っていた。
陶然と委ねられた脚を
スミカの細腕が完全に捕らえていた。
静寂のなか
スミカの手だけが 躍動していた。
そこから、アロマオイルの香りが拡がっていた。
その動きが
室内のすべてを 支配していった。
* * *
男性客が奇声をあげた。
スミカがわざと、力加減を変えたのだろう。
「ちゃんとマッサージですよ……」
「なんだよオイ、怒っちゃったの~?」
「へいきですよ」
スミカは朗らかに声をかけている。
それから、マッサージのリズムを変えている。
男性客の脛の辺りをとらえ、ほぐしている。
軽やかで したたかな動き。
掌全体でほぐす動きをしながら
彼女の人差し指は、男の足にピタリと喰い込んでいる。
その技術には、更に磨きがかかっている。
「おお~……」
まだ何か言いたげだった男性客は
感嘆の声をあげて、大人しくなった。
「意識を、集中してくださいね」
スミカの美声が、明朗に響いた。
優しく諭すようでもあった。
でもどこか、寒気を覚えるようでもあった。
合成音のようだった。
下肢への施術は続けられた。
男性客はやがて黙っていた。
陶然と委ねられた脚を
スミカの細腕が完全に捕らえていた。
静寂のなか
スミカの手だけが 躍動していた。
そこから、アロマオイルの香りが拡がっていた。
その動きが
室内のすべてを 支配していった。
* * *