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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第5章 SUMIKA
施術が済み、客はシャワーを済ませて自分の普段着に着替えた。
帰りは店の硝子扉の外まで、スミカが丁寧に見送っていた。
「やっぱりスミちゃんのマッサージは
クセになっちゃうよ~!また頼むよ」
そんな言葉が聞こえる。
すっかり機嫌を直したようだ。
見送りが済むと、スミカは店のシャッターを下ろした。
店内の戸締まりを確かめ、施術室の後片付けを始めた。
タオルやホットストーンを洗浄物のカーゴに仕舞う。
施術台からシーツをはがし、本体を拭く。
その挙動には一切無駄が無い。
まるで疲れを感じさせない。
床面をモップ掛けしてから、真新しいシーツを施術台に被せた。
そしてコツコツと
2歩ばかり後ずさりした。
立ったまま、しばし静止した。
室内のレイアウトを確認したのだろうか。
それが済むと、備え付けのシャワールームに這入っていった。
利用客の為のものだが
自分で使うこともあるのだろう。
蛇口から水を出す音が聞こえる。
……こうして
スミカの仕事ぶりを観察すると
尊敬の念を覚える。
短大を卒業して、まだ幾らも経っていない。
その間に整体・マッサージ・アロマテラピーの技術を習得して、資格も取っていた。
独立して開業するには多くの素養が必要なのは、想像に難くない。
今、ひとつの店舗を持って、従業員を雇っている。
並大抵のことではないだろう。
相当の開業資金も必要だった筈だ。
そのすべてを成し遂げて
今も溌溂(はつらつ)と働いている。
……やはり違和感がある。
すべてが当たり前の事のように
整然と進んでいる。
スミカにとっては
すべてが容易いことなのかもしれない。
尊敬する。同時に
なにか得体のしれない何かを、感じる。
俺は 施術台に腰掛けた。
真新しいシーツの感触は
心地よい。
そうして シャワー室の気配を覗った。
スミカの気配を。
* * *
帰りは店の硝子扉の外まで、スミカが丁寧に見送っていた。
「やっぱりスミちゃんのマッサージは
クセになっちゃうよ~!また頼むよ」
そんな言葉が聞こえる。
すっかり機嫌を直したようだ。
見送りが済むと、スミカは店のシャッターを下ろした。
店内の戸締まりを確かめ、施術室の後片付けを始めた。
タオルやホットストーンを洗浄物のカーゴに仕舞う。
施術台からシーツをはがし、本体を拭く。
その挙動には一切無駄が無い。
まるで疲れを感じさせない。
床面をモップ掛けしてから、真新しいシーツを施術台に被せた。
そしてコツコツと
2歩ばかり後ずさりした。
立ったまま、しばし静止した。
室内のレイアウトを確認したのだろうか。
それが済むと、備え付けのシャワールームに這入っていった。
利用客の為のものだが
自分で使うこともあるのだろう。
蛇口から水を出す音が聞こえる。
……こうして
スミカの仕事ぶりを観察すると
尊敬の念を覚える。
短大を卒業して、まだ幾らも経っていない。
その間に整体・マッサージ・アロマテラピーの技術を習得して、資格も取っていた。
独立して開業するには多くの素養が必要なのは、想像に難くない。
今、ひとつの店舗を持って、従業員を雇っている。
並大抵のことではないだろう。
相当の開業資金も必要だった筈だ。
そのすべてを成し遂げて
今も溌溂(はつらつ)と働いている。
……やはり違和感がある。
すべてが当たり前の事のように
整然と進んでいる。
スミカにとっては
すべてが容易いことなのかもしれない。
尊敬する。同時に
なにか得体のしれない何かを、感じる。
俺は 施術台に腰掛けた。
真新しいシーツの感触は
心地よい。
そうして シャワー室の気配を覗った。
スミカの気配を。
* * *