この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
彼依存
第12章 それでもあなたを



《思い出さなくていいいから忘れてる》


でも忘れたかった記憶じゃない…
きっと他に理由があったのなら
私はそれを知らなきゃいけない。



「何で二人は教えてくれないの?」



困った顔で下を向く雅は
枕元にあった煙草を手に取り
何度もライターをカチカチと鳴らした。

苛立ちではなくて
考え事をするかのような素振り。




「言っても、藍ちゃんが思い出せへんくて
それに苦しむ姿は見たないやん」



「でも思い出させたいなら
言った方が早いんじゃないの?」



「言ったやろ?
藍ちゃんは姫やから…
大切にせなあかんねん
もうあんな事起きんように」



「あんな…事って…?」



はっ、とした表情で口を紡ぐ雅。
きっと良くない事なんだと
瞬時に理解してしまった…
辛そうな顔は見たくない。
それは私も一緒。



「んー、忘れてていい事もあるよね」




わざと明るく振る舞った私を
切なげな目がとらえる。
私に出来る優しさ…




「藍ちゃん、ちょっときて」




伸ばされた手を掴み立ち上がる。
瞬間引き寄せられた体は
バランスを崩し雅の胸へと包み込まれた…



「み…やび?」



何も答えない雅は代わりに
熱く甘い口付けをしたの。
甘いイチゴミルクの味…
懐かしい味…



「んっ、はぁ…ぁ…」



抱き締める腕が気持ち良くて
頭を支える手が暖かくて
絡まる舌がとても甘い。




「すき、やねん…
ほんまにすきや…」




「っん、知っ…てる…っ」




こんな見た目不良みたいな彼が
必死に私を求め好きだと言う
捨て犬みたいな目ですがる彼は
愛らしかったの…





/191ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ