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彼依存
第12章 それでもあなたを


頬に当てられた手は
優しさしく滴を拭い去る。
それでも溢れる滴は再び頬を伝った…

私の笑顔を一番に…
そんなに想われてるのに
離れる事があるかもしれない。
そう思うだけで胸が締め付けられる。

この気持ちを裏切るかもしれない…
そんな私でも想っていると…



「わ、っ…私…離れたくない…」



「うん、一緒におれたらえぇな」




黙って包み込む陸の胸が
微かに震えたのは気のせいじゃない。
雅の笑顔が無理してたのも
気のせいじゃない。
私と同じように泣いていたの
二人の心が…




「っ、ん…会社…
明日朝連絡するね…」



詰まる声だったけど
震えてて聞こえなかったかもしれないけど
私は涙で濡れた顔を精一杯
笑顔で飾ってみせた。



「だから沢山可愛がって…ね?」



「当たり前だよ」




私が思い出した後の事は
どうなるか分からないけど
まだ時間があるのなら
最悪な結末が待っていても

それでもあなたを
この肌に感じていたいの。
近くであなたを感じていたい。



こんな気持ちになるなんて
想像もしてなかったんだけどね?







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