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彼依存
第14章 忘れないと誓う


あの時言った離れないって言葉は
一生忘れへん
その言葉に嘘偽りなんか無くて
純粋なものだったと信じてるし
なのに、何でや…
そんな選択肢しか無かったか?


陸から電話が来た時俺は耳を疑った。
冗談言ってて、二人で俺を笑うんやって
だから笑って聞き返してやったのに
震える声から発せられたのは
やっぱり同じ言葉やった。




「藍、死のうとしたよ
今親がついて病院にいる
合わせてすらもらえなかったけど」






バチが当たった。
何の努力もせんと仏さんにすがって
藍ちゃんに当たり前のように
甘えてきた結果がこれだと。





「考えればわかった事だったのに」





きっと陸も同じように自分を責めて
苦しんでいるに違いない。
電話越しに聞こえたすすり泣く声は
今起こっている事が現実だと
俺に知らしめる。





"私は離れない"嘘やない。

"前に進んでるよ"嘘やない。

藍ちゃんは離れない為に
前に進む事を選んだんや。
それは切ない選択で間違いやわ。
そんな選択望んでへん…



「ごめんな、って…言う事すらできんやん」


「雅、伝えたからな…」




携帯越しに虚しく響く通話終了音は
藍ちゃんとの関係を終わらせる音だと
耳に痛い程響いていた。

握られた携帯はミシミシと音を鳴らし
その場から動く事、息をする事を忘れ
ただ立ち尽くすしか出来ない。





「出るわけ、ない…よな…」




何度かけても鳴らない電話。

朝になっても、また夜がきても
声を聞く事はできひん。
分かってる、出んのは…
でも、まだ離れたくないんやて…




何十回、何百回かけた番号は
数日経って音声が流れるようになった。

「おかけになった番号は
現在使われておりません」



「ははっ、そりゃそうやな…」




"何をすがってたの?"



「離れてかんでや…」





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