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彼依存
第14章 忘れないと誓う
「付き合って欲しいねんけど…」
照れたように笑い両手で顔を被う。
いつものベンチで藍ちゃんは頷いた…
「よろしく、ね?」
こんな幸せな時間一生に何度あるんやろ。
ふと考えた未来予想図…
結婚まで考えてしまう俺は
きっとそのへんの乙女より
甘々で夢見がちやわ。
「彼氏って、友達に紹介したいんだ」
携帯のカメラを向け顔を近づけてくる
"はい、ちーず"なんて可愛く言うから
つられてピースした写メ。
「雅、これなら怖くないね」
「は、馬鹿にしてんのやろ」
「見た目じゃ分かんないけど
雅はいつも優しいよ」
「高校生に何言われてるんやろな」
「ん、見てれば分かるよ?
笑った顔が可愛いって」
なめられない俺になりたくて
必死に作り上げてきたもの。
中退して不良ぶって
18で一丁前に墨なんか入れて
成人してんのに高校生に救われて…
なのに…
そんなの関係無いと言わんばかりに
頬を触ってくる藍ちゃん…
「ほんま、すきやで?」
「私も、すきやで?」
「ツボつくん上手いな
小悪魔やわ藍ちゃんは」
初めてのツーショットはきっと忘れられて
無かったものにされてて
この日の事だって…
「忘れんなよ…約束したやんか…」
俺は忘れへん、この日の藍ちゃんを。