この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼依存
第15章 ステージ8
「んーっ、おはようさん」
大きく背伸びをし、大きな口を開け
これでもかと言う位の寝癖を付け
まだ半開きの目のまま起きてくる。
着崩れしたシャツに
下がり気味の下着…
何故か寝起きから色っぽい。
清潔感ある陸とは全く違う。
陸は寝起きから整っていて
頭掻きながら起きてくるとこは
未だに見たことがない。
そもそも寝起きなんか見せない…
「雅もうお昼だよ
今日お店連れてってくれるんでしょ?」
「ん、あぁ…そうやったなぁ」
やっと目が覚めたのか
陸の作った朝食の残りをキッチンでつまみ
パックのまま牛乳を飲み
換気扇の下で煙草を咥える。
「二人は準備できたん?」
「できたよ。雅待ちなの」
「もうちょっと待ってな?
頭働くまで時間かかんねん」
いつもは綺麗に立ったアッシュ色の髪。
寝起きにはぺたんこになってて
また違う雰囲気がする。
若干優しそう…?
いやいや、ピアス、墨、髪色だけで
十分近寄りにくいか…
頭を振り優しそうな雅を否定した私は
大好きな苺ミルクを飲みながら
黙って出掛けるのを待った。
「藍ちゃん退屈なん?」
「雅が遅いから」
「陸は?」
「電話しに外行ったままだよ」
「そか、じゃ…藍ちゃんおいで」
手招きされ少し煙っぽいキッチンに足を運ぶ。
壁にもたれかる雅の前に立ち
早く行きたいって顔作ってみせ
催促するように服裾を引っ張る。
「焦らんでも店はなくならんて
それより、おはようのボディータッチしてもええ?」
「駄目っ、だって雅寝坊助だし」
「寝坊助とか」
吹き出し笑う雅の顔は
やっぱり怖さなんか感じないし
無邪気で可愛いのにな…
見た目で損してるよ、雅。
「いいから早く準備してって」
「じゃ、藍ちゃんの準備もせなやな」