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彼依存
第15章 ステージ8



「ねぇ、ここってさ…」



雅が車を停めたのは風俗街
ラブホテルが並び、キャバクラやホストクラブ…
至るところに並んだらどぎついカラーの看板。
夜になればきっと明るいだろう其処にある
テナントビルの地下に店があると言う。



"未知の世界へ逝きたいなら
どうぞコチラに"

アダルトグッズ専門店"JOY"


真っ黒なボードに
流れるように書かれた白字。
特に目立つ訳ではないが
目を惹くものが感じられる。
他の店とは違ってネオンとかは無く
ひっそりと経営されていた。





「JOYって…名前のセンスがさ…
って、雅の店ってアダルトグッズ専門店なの?」


突っ込みどころは山ほどあったけど
まず先にこれを聞いてみた。
後々聞きたいのは
センスの無い店名つけた人と
未知の世界とか考えた人…



「せやで、やなかったら
あんなに道具揃えるの大変やん」


「通りで、あんなに揃ってるんだ」



階段を降りた先には黒い扉。

中は案外こじんまりしており
お客さんも数人いた。
モノトーンな配色は雅の趣味で
壁に飾ってある絵や写真も
そこの雰囲気に合っていた。



「アダルトグッズのお店って初めて入ったけど
案外お洒落なんだね?」


「俺のセンスがいいからな」



いやいや、JOYがセンスいいって…
少し疑問も浮かんだけど
そんな事より品数の多さが凄くて
突っ込むのを忘れていた。




「凄いね…」



「せやろ?凄いやろ?
この中から藍ちゃんに合うの選ぶんが
もう、楽しくて楽しくて」


「目がキラキラしてるよ」


「今日かて藍ちゃんに選ぶ為に来たんやから」


「は、ええっ?聞いてないよ」




店の奥、スタッフルームに案内されれば
店員さんが居て軽く頭を下げていった。




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