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彼依存
第16章 理想の家族



寂しくない訳ない
大好きな大切な家族と離れるんだ。
もう戻れないと実感したなのは
父親の再婚を聞いたから。
俺も薄々感ずいていたし
何年も経てば期待も無くなる。
物事を理解できる年になっていた…


何も語らなかった母親は
ただひたすら俺を愛してくれて
ただひたすら俺を笑わせてくれて
不自由無い生活をさせてくれたから
感謝していた。


でも、何処かで俺を重荷に感じていて
寂しくなる時だってあったんだと思う。



「離婚しなきゃいけない位の喧嘩だった?」


「喧嘩なんてしてないよ
でも好きだとか愛してるだとか
感じなくなってたのね、お互い」


「笑ってたよね?」


「陸がいたから」


「そっか」




多くは語らない母親が
寂しそうに笑ったのを覚えている。
父親の再婚が決まってからは
益々減っていく笑顔。



「そんな風に笑うなら
離婚しなきゃ良かったのに」


「ただの情しかないのに
一緒にいたら寂しいより虚しいのよ
陸も大人になれば分かるから」




そんな感情知りたくないな。
虚しくなるような関係ならいらない。




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