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彼依存
第16章 理想の家族



「泣いてたよ」


「あぁ、知ってるよ
父さんも言い過ぎたと…思ってる」


「ん、でも良かったかも
これで開放してあげられたんだから」


「そんなに大人にならなくていいんだよ」




どんな顔してたんだろ。
寂しくないと、辛くないと
言い聞かせて此処まで来たのに
"大人にならなくていい"この一言で
確実に涙腺は緩んだと思う。

本当はなきたかったのかもしれない。
また家族に戻りたいと言いたかったのかも。

でも、そうさせなかったのは
新しい家族の存在があったから…
リビングに飾られた写真盾に
幸せそうに笑う再婚相手。



「いいな、幸せそうで」



嫌味だったのかもしれない。
妬んでいたのは母親じゃなく俺だ…
俺が欲しかった、直したかった家族を
この人たちは持っているから。



妹なんかいらない。
新しい母親もいらない。




「そこは…俺の場所だったのにな」




分かっていた事。
此処に帰ってこればこの現状を
嫌でも目の当たりにするのは…
でも、今の俺には此処しかないから…



「大丈夫、1人でも…」




家族のようで家族じゃない。
そう思う事でバランスを保っていた。




親が納得していても
まだまだ未熟だったこの頃の俺は
どこか煮え切らない気持ちを
吐き出すとこを探していたのかもしれない。




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