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彼依存
第16章 理想の家族
「なぁ、お前さ何も言わないって事は
案外喜んでたんじゃないの?」
食器を洗う藍の背後に立ち
両手をシンクにつけ逃げ場を無くし
頭上から低い声で投げ掛ける。
洗っていた手を止め首を向け
あの時みたいに呼ばれた…
「お兄…ちゃん?」
その目は怯えている。
確実にあの日を思い出している。
そう、この顔が見たかったんだ…
「今日も慰めてくれるんだよな
可哀想なお兄ちゃんを」
「い、や…だ」
顔を下げ床に目をやり
濡れた手で俺の胸を押す力は弱々しく
声だって震えていた。
ほら、泣けよ…
「1回したんだし
2回も3回も変わらないよ?
それにさ…親に言われたら
大切な家族壊れちゃうもんね?」
「いわ、ないで…よ…」
「無かった事になんかさせないし
俺を見る度に思い出しな」
力の入ってない両手を掴み
着ていたエプロンを脱がせ
無造作に手を縛れば
落胆の表情でそれを見つめる…
抵抗したってたかが知れている。
力では敵わないと分かったのか
家族を壊されたくないのか
何も言わなくなったこいつは
されるがまま立ち尽くすしかない…
「愛情とか無いし
快楽なんて必要ないだろ?」
シンクに拘束された両手を付き
無理矢理臀部を突き出させ
あの日同様に…
受け入れ体制の出来てないそこに
自身を捩じ込んでいく。
「んっ、くっ…」
「キッチンに立つ度に思い出すな
俺にやられた事を」
無理に押し広げられた穴は
次第に濡れはじめる。
滑りが良くなった為深く挿入され
足はカタカタと震え
藍の声色も徐々に変わってきた。
「はっ、ぁ…っ…んっ」
腰を打ち付ける度に
詰まった声を上げるこいつは
下唇を噛みながら耐えている。
快楽?屈辱?痛み?怒り?
何かは分からないが薄ら涙を浮かべ
シンクにもたれ必死に耐えている。