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彼依存
第16章 理想の家族
「大丈夫これ音しないから
藍が変な行動とらなきゃバレない」
安物のローター大きさも鶉の卵程度
振動だってたかが知れている。
けど、未経験のこいつには
中に異物が入っているだけで頭が混乱し
感じたことの無い気持ちを味わっている。
「ふっ、ぁ…さわ…な…ぃっ、で」
何度も指を押しつけてやると
甘い吐息を漏らすようになった。
溢れ出た蜜も指に付き
直に触れば水音もきこえそうな程に…
「ほら、手が休んでる
早く終わらせなきゃ二人に
おかしく思われるんじゃないか?」
意地悪に問うてやれば
なんとか震える手で食器を掴み
懸命に洗いを進めていく。
熱の篭った息は止むことなく…
「偉いなぁ、言われた事できて
たまにはご褒美もやらないとな」
ほら、鳴けよ…
快楽に負けて堕ちていけばいい…
ポケットの中で握られたリモコンは
オンになり藍の蜜部では振動が始まる。
「うっ、あ…ぁ…」
いきなりの振動に
前傾姿勢に崩れる藍は
無意識に腰を揺らしていた…
「ほら、声我慢するんだろ?」
気分が良かった。
俺にされるがまま抵抗も出来ずに鳴き
ひたすら耐えることしか出来ないこいつが
なんて滑稽なんだと
俺の顔は優越感で緩んでいく。
罪悪なんて感じない。
ただ俺の今まで抱いていた不満を
ぶつけられるだけで十分だ…
「分かるか?俺の味わった辛さが…
お前にだけ幸せな家族なんて
くれてやらないから」
理想の家族
もうそれは決して俺の元には
戻ってくる事はないもの。
奪ったのはお前でもなければ
お前の母親でもない。
だけどね?どうしてかな…
お前の笑ってる顔が俺をこうさせる。
「いつでも笑ってるお前が
俺は嫌いなんだよ
家族ごっこなんて御免だからな」
そう、俺はもう同じようには笑えない。
だってこれは俺の望んでいた
理想の家族なんかじゃないんだから…