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彼依存
第16章 理想の家族



部屋に来た藍は部屋着に着替え
適当に拭いた髪を纏め
勉強道具一式を抱え部屋にきた。
藍からする香りが部屋を包み込む…



「甘い…な…」



「あ、気付いた?
シャンプー変えたんだよ」



「これも苺?」



「そうだよ
ちょっと高かったんだけどね」



あぁ、やっと笑った…
髪を弄りながら嬉しそうに喋る藍。
風呂上り独特の血色の良い肌に
ほのかに紅い頬…
濡れた髪から雫が落ち濡れる首筋…


触れたい…
そう思うより先に手は動いた。
濡れる首筋に指を這わせ雫を拭ってやる。



「っ、ん…お兄ちゃん…?」



ピクリと首を震わせ驚愕の表情を向けられる。
だが一度触れた手はもう止められなかった…



「っ、ごめ…ん、藍…」



驚く藍の首筋に顔を埋め
香りを嗅ぐように息を吸い込めば
鼻腔から広がる香りに目眩を感じる。
甘い、甘い…苺の香りだった。


「やっ、ちょっ…と…」


教材を床に散らし抵抗する藍
でも、離してなんかやれないんだ…
泣きはらした目で見られたって
もう俺は止まらないんだよ…


両手を掴み机に押し倒し
その甘い香りを満喫してやった。
唇を付け食べたくなる衝動を抑え
柔らかく吸い付く…



「だ、めっ…っ…ん」



涙を浮かべ震える唇から
何度も駄目だと呟かれる。

あぁ、駄目な事位俺だって分かってるよ…



「俺は…藍を離してやれない…」



「お兄…ちゃん…?」



痛む心とは反対に昂っていく体。
暖かい藍の体に薄らと汗が滲み
熱さに変わっていく…



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