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彼依存
第16章 理想の家族



「お兄ちゃん…私ね…
きっと酷い事言ってるんだよね
選べないなんて最低な事だよね」



悲しげに放つと部屋から出ていった…


「最低で…いいよ、藍」



選べないか…

それでも拒絶された訳じゃない
好きになっても同じ空間にいる事を
許してくれている。
それなら…まだ…

諦め、兄でいようとした気持ちが
僅かな希望が見えた途端
一人の男とし藍への感情が蘇る。


「すき、なんだよ…藍…」



勉強見てやるって言ったのに
悪い事したな、なんて思いながらも
先ほど藍からした香りで
頭は藍に触れる事で
いっぱいになっている。

目の前に居た幼くも艶を纏った藍。
触れずにはいられなかったんだ…

ほのかに香るシャンプーの残り香を
鼻腔に届け肺を満たす。
こんな残り香ですらが愛おしく感じる程
藍に夢中になるなんて考えてもいなかった。


ベットに体を投げやり
真っ白な天井を見つめる。
あいつの為に泣くなら
俺の為に鳴いてくれ…

隣室の物音に藍を感じながら瞼を閉じる。



「もう、兄じゃいられないな」


手遅れだよ。
藍の心に触れた時点で
後戻りなんかできなかったんだから。


"いつも泣いてる"
藍は俺の傷を癒してくれた
酷いことする俺に
優しく暖かい手を差し伸べた。


そんな優しい藍を…
藍を…?
そんな藍を壊したい…


大切にしたいのにおかしい…
藍が壊れていくのを見たいなんて。
でも、そうだな
俺の為だけに壊れて鳴いてくれるなら
壊しにかかるよ?

大切に、ね…


忘れていったシャープペンシル
持ち手に口付けをし
芯の先を机に押し付けた。
ゴリっと醜い音と共に砕けるソレは
これから始まる藍を指していた。


歪んだ愛…



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