この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼依存
第17章 複雑な関係
目が覚めれば見慣れた顔が…
雅とお兄ちゃん…
昨夜の出来事に赤面させ
早まる鼓動が二人に聞こえないように
落ち着かせる。
外見も、中身も全く違う二人。
私は…贅沢なの…?
二人から愛されたい
どちらか選ぶなんてできない
それがいけない事だと分かってる。
間違ってる事だと知っていて
二人の愛に甘えてるの
「私…最低な女だね…」
前髪と共に目元を覆い
深いため息を一つ吐き出すと
左右で動くのを感じた…
「おはよう、藍」
「おはよ、藍ちゃん」
寝起きの掠れた声が色っぽくて
寝癖の付いた髪が可愛くて
うっすら開かれた瞳が恋しくて
触れ合う肌が暖かくて
あぁ、駄目ね…
こんなに居心地いいんだもの
もう戻れる訳ないじゃない…
「おはよ、雅…お兄ちゃん…」
最低な女でもいい
二人に愛されて幸せだもの
選ぶなんてできない
だって
二人とも大切なの…
心が暖かくなるんだもの…
「私、最低な女でしょ?」
「俺かて最低な彼氏やな」
「俺は最低な兄貴だ」
少しだけ、本当に少しだけ
幸せの中に切なさを感じた。