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彼依存
第4章 秘め事
煙草臭い車内。
気を使ってるつもりか
芳香剤が置かれていた。
だが混ざって強烈な匂い。
それはいつものこと…
昔からのつき合いだ。
今更そんな事を言うつもりはない。
テンポよく話す雅の関西弁は
時折沈む俺を救ってくれる。
「いや…ほんま危ないわ
つい言いそうになってしまうで」
「頼むよ雅
今はまだ知らなくていいんだ」
「そやけどな
生殺しもいいとこやで」
「藍が気付いたら
その時は…」
「我慢せぇへんからな」
「それは俺も同じだよ」
「にしても藍ちゃん可哀想やわ
そら陸もこないなるわな」
「ははっ…
可哀想なのは雅もだろ
俺が邪魔じゃないのか?」
「最初は厄介や思ったけど
藍ちゃんが好きなら
しゃーないからな」
「で…結果二人で藍を…」
「卑怯や思うけど
それはお互い承知の上やし
今更争う気もないわ」
日差しが強いのか
サングラスをかけた雅の表情は
冴えなかった。
きっと日差しだけのせいではない…
「陸は悪ないよ
藍ちゃんやて悪ないし
「あぁ…そうだな
雅、お前だって悪くないさ」