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彼依存
第6章 ステージ4



休日のホームには
思ったよりも人は少なく
朝帰りなのか
眠そうに目を擦るサラリーマン。

朝の空気嫌いじゃないな…




アナウンスが流れ電車の到着を知らせる。
普段とは逆に進むのが違和感で
間違ってないか何度も確認した。



「**行き…コレだよね…」



同じ車両には3、4人
皆距離を開けて座っている。
藍は人目のつかないボックス席へ…



ここならバレないよね…
こんなに濡らしてても
見えないだろうし。



モジモジと擦り寄せた腿。
スカートの中は周りの乗客には
想像も出来ない状態になっていた…



鞄の中で震える携帯…
液晶には陸の名前が表示され
通話を押し小声で応答した。



「もしもし」


「鞄にイヤホンマイク入ってるからつけて」



鞄に?
私そんなの持ってないし…


無造作に手を突っ込めば
ビニール袋に入ったイヤホンマイク…
すぐさま携帯に取り付けた…



「できたよ」


「携帯は切らずに鞄にしまって」


「分かった…」


「じゃぁ、立ち上がって吊革握って」




ボックス席に座った意味が無かった。
バレないなんて勘違い…
無事下車出来るわけないのに
考えれば分かったじゃない…



聞こえるか聞こえないか微妙な
ため息一つ吐き出し
言われた通りに近くの吊革を握る…
こんなにも席空いてるのに
どう見たって不自然。
たかが3、4人…
でもその3、4人が藍を見ていた。




やだな…
おかしいって思われてるよ…





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