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彼依存
第6章 ステージ4


「ご褒美あげなきゃね」


楽しそうに微笑む陸。
その顔は今までみたいに
彼女に対する優しい笑みで
それを見れば胸がキュゥっとした。


私は玩具じゃない…
ちゃんと陸の彼女なんだ…
そう思わずにはいられない。



「コレはね藍を素直にさせる薬
玩具とか使わなくても
藍は淫乱に濡れてくるんだよ」



「くす…り…?」



「害はないから大丈夫
麻薬とかタチ悪い物じゃないから
安心してよ
まぁ…コレも雅からだしね」



「藍ちゃんの為なら
何でも用意したんで
希望があれば言ってや」




小さな丸い形の容器。
錠剤や粉ではないみたいで
何故か安心してしまう…

薬や犯罪等は
無縁の世界で生きてきた藍。
こんな時ですら
捨て切れていない私は
完全には堕ちていないのかも。
どこかブレーキをかけ
今の私を守りに入っている…


本当は知りたい…本当の私を。
陸と雅だけが知っていて
私が知らない私を…



それなら…
墜ちてしまえばいい。
簡単な事じゃない…
甘い蜜を自ら求めて
淫らに狂ったらいいじゃない…

手段は分かっていた。
本当の私を見つける手段…

それをしないのは自信がないから。
本当の私と向き合えない。
恐怖、不安、混乱…
ゴチャゴチャしていく感情。



快楽を求めてしまうのは
彼等のせいだと
言い訳ができなくなる。

認めなければいけない…



ワタシハ…コンナニモ…ミダラデ…ヤラシイ…



もうとっくに分かっている。
なのに私は卑怯だ…



分かっている。
私はこうされるのが好き…

知らないふりをしていた。
怖かったから…




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