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彼依存
第8章 ステージ5



壁にもたれ掛かった陸は
私と雅の行為を眺めている。
何も言わない…
ただ黙って見ているだけ…
その視線が熱くて
視界に入る度にドキドキが速まる。



見られてる…
雅に抱かれる私を…
陸が見てる…




「藍、今雅に何されてるか言ってみて」



今されてる事?
見れば分かるでしょ?
きっといつもならそう思ったに違いない…
なのに今の私はいつもの私じゃないの。




「雅の、んっぁ…おちん…ちんで
お尻の穴っ…はぁん、気持ちっん…よく
して…っ、もらって…る…」



「お尻の穴じゃなくて…さ?」



「あ、あな…る…あんっ、んーっ…
やっ、ぁっ…気持ちい…っん」




私自身が発した言葉なのに…
何故かドキドキした…
ゴチャゴチャする頭は
甘い蜜に支配されていくの…
もう戻れないと誰かが言っている。

《それが本当の私でしょ》って。




「はぁ、ぁ…イくっ、うぁっ…あぁ…」




そう私の知らない私は
きっと淫らで変態だったんだろう。
今の私みたいに…




「はぁ、ん…藍ちゃん…っ」



中で脈打ったのが分かった。
数回繰り返されると
先ほどまでの固さは無くなっていく…



雅が私の中で果てた…
私で感じてくれた…



抱かれる腕の中雅の熱が伝わる。



暖かい。
この香りにこの感じ…
私は雅を知っている…




「っ、んっ…ね?私何を忘れてるの…?」




重たい瞼を閉じ
最後に言った言葉の答えは
聞こえなかった…






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