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彼依存
第9章 涙痕に




笑ってんのか怒ってんのか…
すっげー微妙な表情しやがって
言葉かけずれーよ。



「雅、どうだった?」


「えっ…あ、何が…?」



完全に同様してんのがばれるわ。
そりゃそうだ…
陸が怒る事は予想できてたんやし…
それ承知やったんやからな。




「藍…どんな感じだった…?」



「あー、何て言えばいいやろな。
知りたいけど何か邪魔しとる感じやな
でも、今は嫌やないみたいやで」



「邪魔ね…」




ソファに深く座る陸はコンビニ袋を漁っている
取り出したのはパックの苺ミルクだった。
ストローを刺し吸う姿は似合わない…



「お前が苺ミルクて…なぁ」



「そりゃ…雅だって同じだろ
苺ミルクが好きなんじゃないし」



「まあ…あんな事言われたら
常備せなあかんやろ?」



目を合わせて笑うのは過去を思いだし
似合わない苺ミルクなんかを飲み
淡い期待を抱いているからで
決して二人が苺ミルクを好んで飲む訳じゃない。




「陸あかんやろ
もう今日は藍ちゃん無理やわ」



「じゃぁ、飲む必要ないよな」



「ごちそうさん」



「二人にしたのが駄目だったな
寝てるから安心したのに」




怒ってはないんやな。
やっと落ち着いたわ…

肩の荷を降ろしPCを開く。
つい日課のように眺めてしまうのは
制服を着た藍と自分だった。




甘い香りの空間にいる3人…
薄暗くされた部屋には
藍の好きな曲が控えめに流される。




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