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彼依存
第10章 ステージ6


人がいる気配がした。
まな板と包丁がぶつかる音に
味噌汁のいい香りが鼻腔に届く。
懐かしい感じがする…
お母さんが毎日してたみたいな
朝の感じとそっくりで
家に居るかと錯覚しそうになった。
それを甘い香りが現実に引き戻す…



「みや…び…」



隣を見ればぐっすり眠る雅。
逆睫が光り色気を出していた…
同じシーツにくるまり肌が密着し
夜の事を思い出させる。



「藍、おはよ」



キッチンから顔を出し小声で呼ぶ…
私の彼、陸。



「適当に雅の服借りておいで
先に朝食にしよ」



こんな柔らかな優しい表情
久しぶりに見た気がする…
最近はエッチな事ばっかりで
意地悪な顔しか見てなかったからなぁ…



音をたてないようにベットから降り
無造作に積まれた服から
大きめなTシャツを選び被った。




「良く寝られたかな?」


「うん、爆睡しちゃった…」




夜中の雅としているとこを見られたから
なんか目合わせづらいよ…
陸は普通にしてるけど
意識しないなんてやっぱり無理だ…




「後でシャワー浴びておいでね」


「そうする」




何でそんなに普通なんだろ。
私陸以外に抱かれたんだよ?
ヤキモチとか怒ったりとか…無い訳?


そんな私の気持ちが
顔に出てたんだと思う。




「藍、俺もヤキモチ位妬くよ?」

そう言って静かに笑った…





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