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彼依存
第10章 ステージ6
「雅は私がどんな子だったか知ってる?」
「あー、うん、まあな」
「私二股してた?」
「陸に言われたん?
それやったら言い方わるいで」
「それは陸も言ってた…
私、雅の彼女だったの…?」
「ストレートやなぁ」
笑いながらもどこか寂しいそうな声色…
それもそのはず
忘れられているなんて
誰でも悲しいに決まってるんだから…
「あ、ごめん…」
「謝らんでええよ
ただ彼女やったかどうかは
思い出したら分かるわ
でもそれは今じゃないな」
《今じゃない》
同じ事を言うんだ…
そうだよね…
教えられたところで
私が思い出した訳じゃないんだから。
「藍、手出されてない?」
「あ…陸、出されてないよ」
「ひどいな二人して
そんなに俺が飢えてるように見えるか?」
「バスタオル一枚の藍が居るんだからな
いつ手出してもおかしくないだろ」
「これでも我慢してんねんけど」
まただ、また笑えてきちゃう。
私を取り合うような会話に…
何で私なんかを…
分かんないな…
「陸も雅も…私じゃなくても
可愛い子沢山いるよ?
なのに何で私なの?」
あれ…?
今の質問間違ってた…?
何で二人とも笑ってるの…?
「そんなん…」
「そりゃ…」
「「そういう所がいい」」
口をそろえて言ってるけど
理由になってないんだから…
「被んなや」
「お前がな」
何でそんなに楽しそうなの?
意味が分かんないんだけど…
ただ口をあけて
二人のやり取りを見つめる。
だって私には分からない話だから。
「藍、おいで
さっきの続き始めるよ」
差し出された手を掴む。
だって話は分かんなくても
身体は思い出したそうに疼いてる。
身体は素直に反応してる。
それだけでも私が近づいている証拠…
「う…ん…」