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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
堪りかねたように父文昭が言うのにも、彼女は頬を膨らませたまま、そっぽを向いたままである。十六歳にしては童顔で小柄な芳華はちょっと見には十三、四歳にしか見えない。そんな彼女が精一杯拗ねて見せたとしても、あまり迫力はないのだが。
当人はそんなところは少しも判ってはいない。文昭は呆れたように大きな吐息をつく。大体、父はいちいち大仰すぎるのだ。今もこれ見よがしな溜息をつき、肩を竦めて見せているのも下手な芝居なのが丸分かりだ。
当人はそんなところは少しも判ってはいない。文昭は呆れたように大きな吐息をつく。大体、父はいちいち大仰すぎるのだ。今もこれ見よがしな溜息をつき、肩を竦めて見せているのも下手な芝居なのが丸分かりだ。