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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
「法明?」
 思わず彼の名を呼んだのは不安に駆られたのと、彼の唇の熱さに堪えかねたからだった。何だろう、初めての感覚が彼の唇の触れた箇所から身体中にひろがり、まるで芳華自身の身体までもが法明の熱を移されたかのようだ。
 法明は明らかに芳華の血を吸い出している。彼が先刻の矢に毒が仕込まれているのを懸念しての処置だとは芳華にも判った。
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