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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 最後の方は聞いている芳華の方が切なくなるような響きがあった。暗闇の中でいつ殺されるか判らない恐怖にひたすら怯え続ける小さな少年の姿が自然に浮かび上がった。刹那、芳華は叫んでいた。
「ここにいれば良いじゃない」
「え?」
「この家で暮らせば良いよ、法明。どうせ帰っても一人ぼっちだし、まだお義母さんが生命を狙ってるのなら、そんなところに帰らなくて良い。ここで暮らせば良いじゃない」
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