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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
「元々、求婚の証として簪を贈るのは栄の国の風習だったんだ。それが二代皇帝のときにこの国にも伝わって広まったんだよ。俺の母は栄国人だったから、父も母に簪を贈ったと聞いている」
「法明のお母さまは栄国の方だったのね」
芳華は今、初秋の陽光に照らされ、紫水晶の瞳になっている法明を見つめて納得する。彼の瞳は時々、こんな風に紫に染まって見えるし、髪の色も生粋の操国人にしては少し色素が薄く、茶褐色をしている。それが母方の栄国の血のなせるものだと初めて知った。
「法明のお母さまは栄国の方だったのね」
芳華は今、初秋の陽光に照らされ、紫水晶の瞳になっている法明を見つめて納得する。彼の瞳は時々、こんな風に紫に染まって見えるし、髪の色も生粋の操国人にしては少し色素が薄く、茶褐色をしている。それが母方の栄国の血のなせるものだと初めて知った。