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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
「だから、俺はいつか心から愛せる女とめぐり逢えたら、泰山木の花を象った簪を贈りたいと思っていたんだ。今までは到底、そんな女とめぐり逢えるとは思えなかったけど、こうして芳華、お前に出逢えた。今の俺にはまだそんな高価な簪を贈ることはできないが、いずれ、時機が来れば芳華に贈るつもりだ」
―泰山木を栄国の言葉に音訳すると、〝マグノリア〟というそうだ。母の栄国での名前は〝マグノリア〟だと聞いたことがある―。