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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
その夜。法明と芳華は二人きりの婚礼を挙げた。立会人もいないし、花嫁衣装もない。操国では婚礼のときは新郎新婦ともに紅の衣装を纏う。紅はおめでたい瑞祥の色とされているからだ。
なので、芳華はどこからともなく法明が調達してくれた紗(うすぎぬ)の紅いベールを頭から被った。それが唯一の花嫁衣装の替わりになった。
夫婦の固めの杯を交わし、法明が紅い紗をそっと持ち上げると、花嫁の顔が露わになった。法明の端正な顔が近づいてきて、芳華は静かに眼を閉じた。
なので、芳華はどこからともなく法明が調達してくれた紗(うすぎぬ)の紅いベールを頭から被った。それが唯一の花嫁衣装の替わりになった。
夫婦の固めの杯を交わし、法明が紅い紗をそっと持ち上げると、花嫁の顔が露わになった。法明の端正な顔が近づいてきて、芳華は静かに眼を閉じた。