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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
だが、芳華にはどうしても忘れ得ない気掛かりがあった。それはやはり、自分の素性―皇帝の貴妃という立場であった。貴妃は皇帝の正妻ではない。側室の最高位ではあっても、あくまでも妾妃の一人に過ぎないのである。
それでも、芳華の他に誰一人として妃のいない現皇帝の後宮では、貴妃である芳華が唯一の皇帝の〝妻〟なのだ。そして皇帝という至高の地位にある男が本当は芳華の〝良人〟となる。それなのに、芳華は別の男と婚姻を結んでしまった。
それでも、芳華の他に誰一人として妃のいない現皇帝の後宮では、貴妃である芳華が唯一の皇帝の〝妻〟なのだ。そして皇帝という至高の地位にある男が本当は芳華の〝良人〟となる。それなのに、芳華は別の男と婚姻を結んでしまった。