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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
そんな中で芳華が体調の異変に気づいたのは都華陽に冬将軍と呼ばれる冷たい風が吹き始める頃だった。元々、月のものは順調に来る方ではなく、二、三ヶ月飛ぶことはままある。だから、最初は慣れない市井での暮らしによる環境変化が原因かと思い込んでいた。
けれど流石に四ヶ月も間が開くと、もしやと思い始め、近所の産婆を訪れたところ、懐妊が判った。その日の夜、芳華は心尽くしの料理を拵えて法明を待った。操国では、おめでたいことがあると、桃の形をした蒸し饅頭を作る風習が昔からあった。
けれど流石に四ヶ月も間が開くと、もしやと思い始め、近所の産婆を訪れたところ、懐妊が判った。その日の夜、芳華は心尽くしの料理を拵えて法明を待った。操国では、おめでたいことがあると、桃の形をした蒸し饅頭を作る風習が昔からあった。