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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第4章 求婚と蜜月
 桃はおめでたい象徴とされる瑞果なのだ。だから、その夜も食卓には桃の蒸し饅頭が山盛りになった大皿もむろんあった。
 なのに、法明はなかなか帰らなかった。いつもならどんなに遅くても陽暮れ時には帰ってくるのに、その日に限って帰ってこない。芳華は立ったり座ったりを何度も繰り返し、表まで様子を見に出たりもした。その中に疲れ切って、食卓にうち伏したまま眠ってしまった。
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