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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第1章 Prologue~白き花の下で~

少年は九歳ほど、丈長の袍(ほう)を着て、その下には動きやすいように穿袴(ズボン)をはいている。髪は頭頂部で髷にして一つに束ねていた。その身なりは明らかに庶民のものではない、貴族の子弟のもので、身に纏うものはすべて一級品ばかりである。
第一、ここは宮殿の広大な庭園の中でも奥まった一角で、後宮にも近い。たとえ高位の貴族でも、なかなかここまで脚を踏み入れることはできないのだ。もちろん、後宮に立ち入ることのできるのは、男子としてはその主(あるじ) たる皇帝ただ一人だ。
第一、ここは宮殿の広大な庭園の中でも奥まった一角で、後宮にも近い。たとえ高位の貴族でも、なかなかここまで脚を踏み入れることはできないのだ。もちろん、後宮に立ち入ることのできるのは、男子としてはその主(あるじ) たる皇帝ただ一人だ。

