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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
その月の半ば、宰相の娘郁芳華はついに後宮入りした。古式にのっとった華燭の儀式が盛大に行われたものの、あろうことか、花婿となる皇帝は不在のままで行われた。噂では、皇帝本人もまたこの度の結婚には乗り気でなかったと伝えられている。
一体、光武帝という人については様々な噂がついて回っていた。老獪な宰相や将軍をうまく扱っていることから見ても並みの人物ではないのは判っていた。非常に英邁な皇帝であるとは彼が即位以来、数々行ってきた政策や外交手腕を見れば一目瞭然だ。
一体、光武帝という人については様々な噂がついて回っていた。老獪な宰相や将軍をうまく扱っていることから見ても並みの人物ではないのは判っていた。非常に英邁な皇帝であるとは彼が即位以来、数々行ってきた政策や外交手腕を見れば一目瞭然だ。