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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
 有力な臣下の娘が入内する場合、大抵、最初は貴妃の位が与えられ、例えば皇子を産んだとかの功績を挙げて初めて皇后に立てられるのが通例であった。また皇帝の御子を産まなくても、寵愛が厚く皇帝が望めば、立后は実現することはある。
 だが、女嫌いで衆道、つまり同じ男性しか愛せないという噂の皇帝であれば、この先、自分が皇帝の眼に止まるとも思えず、芳華は生涯〝貴妃〟のままで過ごすことになるだろう。このときから芳華は後宮で〝郁貴妃〟の称号で呼ばれることになった。
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