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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
 え、と、芳華はつま弾いていた竪琴から手を放した。
 いつも冷静な凜鈴に似合わず、興奮した面持ちで告げられたのは―。その夜、珍しく皇帝は後宮に渡るとお付きの宦官に告げたそうだ。特に誰かを召すというわけでもなく、何となく脚を向けてみようかという程度のものだったらしい。
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