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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 光徳帝崩御後の帝位継承についてはかなりの悶着があったと聞く。というのも、光徳帝と紫蘭の間には一人の御子もいなかった。十五歳の少年皇帝の後宮は側室もいなかったのだ。光徳帝は先代武徳帝と皇后の間に生まれた嫡子であったが、女好きといわれる武徳帝には十数人の側室はいたものの、生まれたのは皆皇女ばかりで、三人いた皇子の中、一人は早世、残る二人の一人が光徳帝だった。
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