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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 まだ十五歳の光徳帝が亡くなるのを知らずに郁皇后が逝ったのはせめてもの救いだったといえよう。
 八十歳で大往生した郁皇后はある意味ではまた不幸でもあった。若き日に光武帝との間に儲けた第一皇子鵬全(文治帝)、更にその後を継いだ孫の武徳帝にも次々に先立たれた。ちなみに良人の光武帝が亡くなったのは彼女が四十七歳のときである。
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