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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
―あの音色は誰が引いておるのだ?
 信頼第一の宦官徳堤家に訊ね、更にそれがまた女官長に伝わった。あの竪琴を奏でているのは入内したばかりの郁貴妃だと返答したところ、皇帝は大いに興味を示し早速、貴妃の許に渡ると言い出したと、こういうことだった。
「冗談じゃないわ」
 芳華は大切にしている竪琴を放り出さん勢いで側に置いた。
「お嬢さま?」
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