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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
「礼は良い。お祖母(ばあ)さまはいらっしゃるか?」
「はい」
 立ち上がった宮女が頷き、両側から重厚な造りの扉が開けられる。
「ご機嫌いかがですか?」
 明るい声で挨拶しながら、男は室の中に消える。扉はまた元どおりに外から閉まった。
 胡太后は丁度、石榴(ざくろ)茶を飲んでいるところだった。
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