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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル 深き眠りの底で~浄心院での日々~
「おや、鵬純かい」
彼女は愛する孫の顔を見て、思わず顔を綻ばせた。そう、この男こそ、操国の現皇帝でなのだ。鵬純の生母はもう気が遠くなるような昔に亡くなった。彼がまだ三歳になるかならずのときのことなので、記憶は殆ど残っていない。武徳帝の何番目かの子どもを身籠もったのだが、流産してしまったのだ。その後、肥立ちが良からず、儚く亡くなった。
胡太后は幼くして母を喪った彼を何かと気に掛けてくれた。もっとも、嫁の皇后の手前、あからさまにではなかったが。
彼女は愛する孫の顔を見て、思わず顔を綻ばせた。そう、この男こそ、操国の現皇帝でなのだ。鵬純の生母はもう気が遠くなるような昔に亡くなった。彼がまだ三歳になるかならずのときのことなので、記憶は殆ど残っていない。武徳帝の何番目かの子どもを身籠もったのだが、流産してしまったのだ。その後、肥立ちが良からず、儚く亡くなった。
胡太后は幼くして母を喪った彼を何かと気に掛けてくれた。もっとも、嫁の皇后の手前、あからさまにではなかったが。