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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
「そう。お義父さまは最後までどこか私を避けておいでのようなところがあったけれど、お義母さまは最初から私を嫁として認めて下さって、可愛がって頂いたのよ。女性としての教養・学問、詩歌音曲、何を取っても抜きん出いらして、本当に素晴らしい方だったわ」
 郁皇后は名を芳華という。姓は郁氏である。幼時に光武帝と婚約し、十六歳で入内して貴妃となった。政略で結ばれた夫婦でありながら、光武帝はひとめで郁皇后を気に入り、生涯に郁皇后一人しか娶らなかったほどの愛妻家であった。
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