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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 石榴茶は確かに冷めてはいたが、そろそろ日中は汗ばむほどの陽気になってきたこの季節、かえって熱いよりは良い。
「石榴茶はね、お義母(かあ)さまが好きだったのよ」
 祖母が遠い眼で呟く。
「お義母さまというと、ひいお祖母さまのことですか?」
 彼にとっては曾祖母に当たる郁皇后である。
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