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第10章 後宮艶夜＊スキャンダル 　深き眠りの底で～浄心院での日々～

　鵬純は今や彼女にとっては唯一、残された可愛い孫だった。武徳帝には皇女はたくさんいたから、既に相応の王族や貴族に嫁した女の孫はいる。嫁ぎ先で子を産み、健やかに過ごしている者も少なからずいた。
　だが、皇子はもう鵬純だけになってしまった。その大切な孫がこの帝国が存在する限り、消えることのない汚名を着るなどと、許されて良いはずがない。そして、それを止められるのはこの自分しかいない。