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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
―浄心院に入った女たちこそが良人である先帝を心から大切に思う妻なのです。
 祖母の言葉が本当なら、曺皇后も良人である先帝を心から恋い慕っているということになる。いまだに五年前に死んだ弟を後生大事に想い続けている女を自分のものにして、どうするというんだ? それで恥多き好色な皇帝として歴史に名を刻むというのか?
 鵬純はかぶりを振った。理屈ではない。心があの娘を求めている。ひとめ見たときから、心を烈しく揺さぶられた。この烈しい想いは恐らく言葉を連ねたとて言い表し様がない。
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