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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
「淋しくはないか? 時折、虚しさは感じないのか」
 その問いに紫蘭は黙って首を振ることで応えた。
「ここを出るつもりはないのか?」
「ありません。実家に戻っても、既に兄の代ですし、父は病がちですから、今は地方の別邸で静養しております。兄には妻子もいて、今更、私が戻っても迷惑になるばかり。ここが私にとってはいちばん心地良いのです」
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