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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
「不憫なことだな。世が世であれば、そなたは皇后として後宮で華やいでいたであろうに」
 男の述懐に、紫蘭は笑った。
「私は数ならぬ身ですが、先帝陛下にこの上なく慈しんで頂きました。縁あって夫婦として暮らしたのですから、その日々を大切にして余生を生きていきたいと思います」
「他の男の話は俺の前ではしないでくれ」
 男が憮然として言った。先帝の皇后に対しては無礼な物言いではあったが、紫蘭は気にせずにやり過ごした。
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