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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
芳華は慎重に辺りを窺うと、脚音を極力立てないように足早に歩く。その時、少し離れた前方からひそやかな話し声が聞こえてきて、芳華は咄嗟に背丈の低い植え込みに身を隠した。
「それにしても、郁貴妃さまは随分と風変わりな姫さまでいらっしゃいますこと」
「本当ですわね。女人を一切寄せ付けない皇帝陛下もかなりお変わりになっていらっしゃいますが、普通の女人であれば、婚礼以来ずっと一度もお召しもお渡りもないのをもっとお嘆きになるはずですのに」
「それにしても、郁貴妃さまは随分と風変わりな姫さまでいらっしゃいますこと」
「本当ですわね。女人を一切寄せ付けない皇帝陛下もかなりお変わりになっていらっしゃいますが、普通の女人であれば、婚礼以来ずっと一度もお召しもお渡りもないのをもっとお嘆きになるはずですのに」