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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
 紫蘭はそっと両手で鳥籠を差し出した。男は下から鳥籠を覗き込んでいる。今、小鳥は翼を畳んで眠っていた。翡翠色の美しい鳥だ。
「元気がないのか?」
 心配そうに訊ねてくる男に、紫蘭は笑った。
「いいえ、眠っているだけです。餌もよく食べるようになりましたし、もう生命の危険はないと思います。それに、怪我の方も見た目よりは酷くありませんでした。それが幸いしたんですね」
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